2024引退ブログ 4年 11 竹岡遼人 「価値を示す」
こんにちは。工学院情報通信系4年の竹岡遼人です。
引退ブログの内容について迷いましたが、昨シーズンのことを少しと、今シーズンのことをメインに書きます。
昨シーズンについて
昨シーズン、私は主将を務めさせていただきました。周りに指名されたのではなく、自分から立候補しました。幹部決めの時点で、同期の中で1番試合に出ていたのは私だったし、部活に対して取り組む姿勢や態度を考慮しても、ほかの同期に適任だと思える人はいませんでした。何となく自分がやらないといけないのだろうなという雰囲気を感じつつ、周りに言われて主将を引き受けたという形にすると、うまくいかないことがあったときの言い訳にして投げ出してしまいそうだと思ったので、自分からやるという決断をしました。
これまでの人生において責任を伴う役職からことごとく逃げてきた私にとって、主将という言葉はとても重くのしかかりました。東工大サッカー部には指導者がおらず、学生主体で活動しています。そのため、主将及び幹部はキャプテン的な役割と監督的な役割を同時に求められる点が大変な理由だと考えています。主将として過ごした1年間で、私がチームにもたらせたことがどれだけあるかは分かりません。チーム全体を的確に捉えてよい決断をすること、部員一人一人に対して工夫してコミュニケーションをとること、プレーでチームを引っ張ることなど。もっとできたのではないかと反省することはたくさんあります。また、気づいていても嫌われるのを恐れて主張できなかったことも何度もありました。至らない点の多い主将でしたが、責任をもって1年間やり遂げることで学び、成長できたことは数多くありました。この経験を今後の人生に活かしていきたいです。
昨シーズンのチームの成績については決して満足していません。個人としても、「主将としてチームのために」という漠然とした考えが先行するあまり、自分のプレーを見失いパフォーマンスが上がらなかった時期もありました。しかしながら、夏の中断期間明けからは、前期と比べて成長したプレーをチームとして出せて、少しずつ結果が伴ってきたことに対しては少しの達成感を得られました。尻上がりにチームの調子が良くなっていった理由は様々だと思いますが、試合のメンバーから外れた選手が悔しい気持ちを表には出さずに、声が枯れるまで応援し続けてくれたことは1つの大きな要因だと考えています。口で言うほど簡単にできることではないこのような働きかけをしてくれる仲間たちがいるからこそ、ピッチに立つ選手はいつも以上に頑張れるし、チーム全員で戦っているという一体感が生まれたので、個人的にすごく嬉しかったし感謝しています。
今シーズンを迎えるにあたって
そして迎えた最終学年。主将としてのプレッシャーから解放されたのも束の間、このまま同じようにあと1年過ごして大学サッカーを終えてしまうことにとても恐怖を覚えました。私がこのように感じた理由の1つに、小・中・高と一緒にプレーしてきたチームメイトたちが、大学で自分よりもレベルの高い環境に身を置いて活躍していたことがあげられます。東京・神奈川2部リーグ(以下、2部リーグ)で優勝して1部リーグ昇格を成し遂げたり、1部リーグやさらにその上の関東リーグで出場し活躍したりしている選手たちを見て、羨ましさと悔しさを常に感じていました。そのような感情から、自分ももっとレベルの高い環境に身を置いていたら、試合に出られることはできたのか、試合に出たらどれだけ通用したのか、今よりもっとボールが回ってきて輝けたのではないか、といったことを考えることが増え、意識が外に向いてしまっていたと思います。そして、それまでの3年間で個人として大した結果を残せていないのにもかかわらず、このようなことを考えてしまう自分が嫌でした。東工大を受験したのも自分だし、サッカー部で4年間やることを決めて入部したのも自分なのだから、自分の選択を正解にできないまま逃げてしまってはいけないと強く思いました。また、私も彼らのようにもっと活躍できるという根拠のない自信もありました。
テーマと目標
このような葛藤を経て、大学サッカー最後の1年、環境を言い訳にすることなく自分自身に矢印を向けて、少なくとも個人としては目立った結果を残してやるという強い覚悟を持って挑みました。そのために、
2部リーグでただ4年間試合に出ただけの選手で終わらない
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2部リーグで圧倒的に目立った活躍をする
ことをテーマに掲げました。そして、このテーマに近づくために、FWとして一番わかりやすい得点という結果に誰よりもこだわって自分の価値を示そうと決意しました。リーグ戦が始まる前は、昨シーズンの倍である2桁得点を具体的な目標として設定しました。
今シーズンの結果
スタートダッシュに成功し、リーグ開幕から8試合で当初の目標であった2桁得点に到達しました。ここで、十分狙える立ち位置だったため、目標を得点王に再設定して部活動に取り組みました。しかしながら、シーズン中盤から終盤にかけては、序盤のようなペースで得点を重ねることができなくなり、得点ランキング3位の15得点でシーズンを終えました。結局、1位とは7得点差をつけられ、得点王には遠く及びませんでした。
私が在籍した4年間の中で、今年がもっとも結果を残せたシーズンになったことは事実です。ただ、得点王にはなれなかったし、今シーズン掲げたテーマである「2部リーグで圧倒的に目立った活躍をする」選手にも及ばなかったと思います。また、チームとしても1部リーグ昇格という目標は次第に遠のき、最後は残留争いに巻き込まれてしまいました。内容に目を向けると、格上とされる相手との試合では、効果的なチャンスをほとんど作れずに敗戦することが多かったです。このような苦しい試合展開において、個で局面を打開して数少ないチャンスを仕留めるFWになることが1つの自分の課題でありましたが、克服できずチームに勝利をもたらせなかったことがすごく悔しいです。
しかし、強い覚悟を持ち、明確な目標を叶えるために日々試行錯誤しながら部活動に励んだ過程はとても充実したものになりました。私が継続して取り組んだことの1つにシュート練習があります。右足と左足で同じフォームで様々な球種を蹴れるようになること、試合で起こりうる状況を常に想定して取り組むことなどを意識して、ほとんど毎回の練習後にひたすらシュートを打ちました。今シーズン、部の中で誰よりもシュートを打った自信があります。神奈川工科大学との最終節で決めたゴールは、練習でもめったに蹴れないようなコースに飛んだけれど、あれだけ練習したという自信があったから、迷いなく振り抜くことができたのだと思います。練習してきたことが試合で出せた瞬間はサッカー選手としての成長が感じられて嬉しいものですが、自分にとって大学サッカーでの最後の試合でもその瞬間を味わえたことはかけがえのない財産になりました。自分自身で決めたテーマや目標を達成するために、最後まであきらめずにやり続けた過程は、私が誇れることです。
まだまだ上手くなれると思うので、これからも何らかの形でサッカーを続けていこうと思います。
最後に、私がこの1年間これだけ自分のプレーに集中して取り組むことができたのは、幹部を中心に3年生全員がチームのことを考えた言動をしてくれたおかげです。本当にありがとう。ラストシーズン、後悔のないよう躍動してください!
2年生はそれぞれ役職が与えられるシーズンになり、大変なことが増えるだろうけれど、幹部に頼りきりにならずに全員で乗り越えていってほしいです!
1年生はまだ役職はないけれど、だからこそ、これまで以上にピッチ内外で存在感を発揮して、チームを引っ張っていく姿を期待しています!
東京科学大学サッカー部(旧東京工業大学サッカー部)の今後のさらなる発展をお祈り申し上げます。